退治と対策
ねずみが生息する要因には、(1)餌の有無、(2)営巣(巣を作るの)に適した場所、(3)巣材の有無、(4)自由に活動できる空間の存在などが大きく関わってきます。
この中でも特に、「餌の有無」は生息できるかどうかの大きな要因になるので、食品の管理が重要なポイントとなります。
ねずみの予防対策について
- (侵入防止)
- 残飯整理や食べ物屑の後片付けなど清掃をしっかり行なうことが大切です。また、建物内に侵入されないよう、侵入口になっている穴や隙間、割れ目、配管には防鼠ブラシや金網、防鼠パテ、ねずみ返しなどを用いてふさぎます。
隠れ家(巣)を作らせないように巣の材料となりやすい布や新聞紙、ビニール袋など整理整頓を行なうことも重要です。 - (忌避・かじらるのを予防)
- ケーブルや電線、設備機器類など齧られるのを予防するには、スプレータイプの忌避剤を噴霧しても有効です。
ねずみの駆除方法
- (1)捕獲する方法
- ねずみを捕獲して退治します。捕獲には、粘着式ねずみ捕り(とりもちが付いタイプ)や、ねずみ捕り用のカゴ、圧殺式捕鼠器などが用いられます。
中でも、粘着シートのタイプは作業が簡単で、捕獲後も衛生的に回収・処理することが可能です。- 【ねずみ捕りの使用ポイント】
- いつも出没する場所・通過する場所は比較的警戒しないため、そのような場所を狙って設置してください。また、多数枚設置した方が捕獲されやすいため、なるべく数多くねずみ捕り(粘着シート)を設置してください。
- 周りに餌が少ないと捕獲率が上がります。設置する前に、餌となるような物はできるだけ片づけましょう。
- 粘着シートを設置した後、ねずみ用くん煙剤をたいてねずみを慌てさせ、捕獲率をアップさせる方法もあります。
- (2)薬を用いた方法
- 薬(毒餌/殺鼠剤)で退治します。ねずみが殺鼠剤を食べることによって死亡します。
- 【殺鼠剤の使用ポイント】
- 無毒の餌(食品)のみを与えて、餌場として認識させると より効果的です。はじめに毒餌皿(容器)に無毒餌を入れ、食べ慣れてきたら(餌を食べている痕跡が見られてきたら)、そこへ殺鼠剤を混ぜます。(この時、食品や生ごみが放置されているなど周囲に餌があると、毒餌(殺鼠剤)を食べる可能性が低くなるため、掃除や整理整頓を行ないましょう。)
- ★餌材料(無毒餌)の例
- 一般にヒマワリの種やヒエ・アワ(カナリアシード)、菓子、サツマイモ、ソーセージ、食パン、さつま揚げ、から揚げ、ごま油などがよく用いられます。(腐りやすい食品はご注意ください。)
- ※毒餌を作るときは、安全のために手袋やマスクなど保護具を必ず着用ください。
- ※殺鼠剤・・・作用機構として、1回もしくは数回の摂食で効果を示す「急性毒剤」と、数日間の連続摂取によって効果を示す「累積毒剤(クマリン系)」があります。
- (3)追い払う
- ねずみが生息しにくい環境にして追い払います。ネズミが嫌がる香料を配合した忌避スプレーや忌避剤の処理、ねずみの通り道にトゲや針金の付いた忌避具の設置などがあります。
エサや巣を見つけた場合は取り除き、清掃を行ないます。- ■超音波を用いたネズミ撃退器
- ネズミが超音波域の波長まで聞き取れることを利用し、その波長の大きな音で不快感を与え、ネズミを忌避する機器です。
用途としては、手の届かない場所にある穴や隙間からの侵入防止や、倉庫の搬入・天井裏など直接塞いだりすることが難しい所でのネズミの活動を制限したり、他にはスーパーやデーパートなどの陳列棚で商品が齧られるのを防止する、といった「ピンポイント」でネズミを追い払いたい時に利用するのが一般的です。- ※超音波の音に対して感受性の高い(効果の出やすい)個体がいれば、感受性の低い(効きにくい)個体も存在するため、現場によって多少効果が変わる場合もあります。
- ※超音波に対して不快感をもつ人もいるので、設置場所や設置方向には注意が必要です。
ねずみに寄生していたダニへの対策
ねずみの死骸や巣が放置されると、寄生していたダニ(イエダニ:吸血性)が移動して室内に侵入してくることがあります。ダニの被害が出た場合巣や死骸を探し、清掃後、ダニ用の殺虫剤を散布します。
被害が激しい場合は、侵入・移動箇所が多いなどが考えられ、詳しい調査が必要となります。調査には専門的な知識が必要ですのでプロのねずみ駆除業者に防除を依頼することをおすすめします。
ねずみの種類や特長を知る。
ねずみの種類と生態成分や目的から駆除剤を選ぶ。
プロがすすめる駆除アイテム