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ドクガ・チャドクガの生態・特徴
ガ類の幼虫の中には、有毒な毛をもつ種がおり、それらに触れると激しい痛みや痒みなど皮膚炎(湿疹)の原因になります。
チャドクガの体毛が皮膚についた際は、こすらずに洗い流すことがおすすめです。
もし炎症・湿疹が出たら、抗ヒスタミンの入ったステロイド軟膏を塗るか、皮膚科など医療機関を受診しましょう。
有毒なガ類には、ドクガ、チャドクガ、イラガ、タケノホソクロバ、ヤネホソバなどがあります。
ドクガ類
毒蛾で問題となりやすいのは、主にドクガとチャドクガです。
成虫、幼虫ともに毒針毛をもちます。卵には毒針はありませんが、成虫が産卵時に卵塊に毒針毛が付くため、卵に触れるのも危険です。卵~成虫の一生を通して危険な蛾です。
ドクガ成虫は開張約30mmで、年に1回発生し、成虫の発生時期は6~7月頃に見られます。幼虫は多食性で、クヌギ、サクラ、ウメ、バラ、イタドリなど100種以上の植物を加害します。
チャドクガ成虫は開張25~30mmで、ドクガよりやや小型です。
チャドクガは年2回発生で、成虫が見られる時期は6~7月(第1回目)、9~10月(第2回目)に出てきます。幼虫は第1回目幼虫が4月頃に孵化し、葉を食害していきます。幼虫の食草は、チャ、サザンカ、ツバキなどです。第2回目の幼虫は8~9月に出ます。
イラガ類
イラガ科の幼虫は毒針を持ち、触れると激痛を生じます。
イラガ科の有名な種としては、イラガ、アオイラガ、ヒロヘリアオイラガなどが挙げられます。
幼虫は、太くて短い緑色のナマコのような芋虫です。食草は、ヤナギ、サクラ、ナシ、カキカエデ、キンモクセイなど多様です。
街路樹など身近なところで見られ、近年市街地でも大発生して問題となることがあります。
タケノホソクロバ -Balataea funeralis-
成虫は、体長10mm前後で、青い光沢のある黒色の羽を持ちます。幼虫は毒針を持ち、食草はタケ、ササの葉を加害。そのため、庭の手入れや、竹林・笹の茂みに入った際、本種に触れて、痒みや激痛など炎症を起こします。
幼虫が見られる時期は、早春から7月頃、次世代の幼虫は8~9月頃に見られます。
チャドクガ・毛虫駆除と対策
ドクガ・毛虫対策について
チャドクガの防除除は、基本的に幼虫((毛虫)の駆除となります。チャドクガやイラガが発生している樹木、植物を見つけ、幼虫を駆除します。
ドクガ駆除(幼虫・毛虫)
(1)葉ごと切り取る
幼虫が若い間は、葉裏に群れているので、それを葉ごと切り取って、捨ててください。
チャドクガ・ドクガは、毒針毛が飛び散ることがあるため、専用のチャドクガを固めるスプレーを処理してから駆除してください。より安全です。
幼虫が比較的成長し、植物全体に毛虫が分散している時は、薬剤を散布して駆除してください。
●手の届く範囲、小規模の場合は、スプレー殺虫剤が手軽です。
●樹木全体など範囲が広い場合は、液体殺虫剤(農薬)がおすすめです。
ドクガ駆除(成虫)
ドクガやチャドクガの成虫は、走光性のため、灯りに飛んできます。
そのため、(1)窓には網戸を張ってください。(2)建物に飛んでくる場合、殺虫剤を外壁や窓枠などに処理して、忌避させてください。
室内に入ったチャドクガは、スプレーで駆除し、紙やティッシュなどで包んで捨ててください。
※マイマイガ・アメリカシロヒトリなど毒蛾以外の蛾対策はこちら