Contents
ユスリカ類について
ユスリカ類はハエ目ユスリカ科(Chironomidae)に属する昆虫で、日本では約700種が知られています。成虫は一見、蚊のような形をした虫ですが、吸血せず直接的な危害は与えません。幼虫は溝や泥の溜まった水溜り、河川、湖沼など水中で生息します。特に富栄養化の進んだ湖沼では、春や夏季になるとユスリカが大発生することがあります。
■ユスリカの性質と被害
夕暮れ時に目の前に現れる「蚊柱」の正体はユスリカによるもので、目や口、耳などに入ってしまうと痛い目に遭うことがあります。また、ユスリカは光(灯り)に誘引される性質を持つため、民家や飲食店、店舗などにユスリカが大量入ってくることがあります。そのため、食事や営業ができない、外灯がユスリカの死骸で汚れるといった被害が発生します。
その他の被害としては、ユスリカの死骸が細かく砕け散ってホコリとなり、気管支喘息や鼻炎などのアレルギーを引き起こすアレルゲンとなることがあります。
ユスリカの駆除と対策
ユスリカ対策について
建物における対策は、ユスリカ成虫の侵入を阻止するだけとなります。
幼虫対策(発生源対策)は、ユスリカの発生場所(河川や側溝など水域)に殺虫剤を散布する方法などがありますが、間違った使用方法をすると魚類やプランクトンなどにも影響が出るため、行政や専門の業者(害虫駆除業者)に依頼しましょう。
ユスリカは、敷地内の側溝や水溜りからも発生することがあるため、その場合、ユスリカ幼虫の生息場所となる汚泥(ドロ)や水は取り除くなど定期的な清掃を行なうといいでしょう。
または、水溜りなどの水域に幼虫駆除剤を処理すればユスリカ幼虫を駆除します。
ユスリカの成虫対策
(1)ユスリカの飛来・侵入を防止
飛んでくるユスリカを侵入させないために、窓やドアは開放にせず、窓には網戸(なるべくメッシュの細かいもの)を取り付けましょう。
(2)ユスリカ成虫を誘引防止
ユスリカは主に、照明から出る短い波長(紫外線)に引き寄せられて飛んできます。
そのため、外灯に多く飛来して困っている場合は、紫外線を放出しないランプ(防虫ランプ)に取替えたり、店舗などの蛍光灯には防虫用蛍光灯または、紫外線を遮断するカバーを取り付るといいでしょう。
その他、屋内の窓ガラスに紫外線を遮断するフィルム(窓用防虫フィルム)を貼れば、室内の灯り(紫外線)が外へ漏れず、ユスリカが集まってくるのを抑制します。
※ただ、ユスリカが大量発生している場合、防虫用照明に切り替えても十分な効果が得られない場合があります。また、ユスリカの種類によっては、防虫照明であっても十分効果が得られないことがあります。 特に超微小なサイズのユスリカには効果が出にくいことがあります。
(3)殺虫剤による駆除
ユスリカが窓に多数止まって困っている場合、窓用殺虫剤を散布すると、窓に止まるユスリカを駆除できます。
建物の出入口などには、薬剤を蒸散する殺虫器を取り付けると、殺虫器の周辺に飛んでくるユスリカを駆除することが可能です。
室内に入ってきたユスリカ対策
屋内に侵入したユスリカに対しては、エアゾール式殺虫剤で対処きます。
飲食店などの場合は、店内の入り口にライトトラップを設置すると、室内に入ってきたユスリカを捕獲することが可能です。