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ヤスデ・ゲジ・ダンゴムシの生態・種類
ゲジゲジ、ヤスデ、ダンゴムシ、ワラジムシはそれぞれ節足動物門のムカデ綱(ゲジ)、ヤスデ綱(ヤスデ)、ワラジムシ綱(ダンゴムシ・ワラジムシ)に属する動物の総称です。
■歩行性害虫による被害
ヤスデやゲジゲジなど歩行性害虫のほとんどは土壌環境で生息しています。しかし、時に人家周辺の土壌で大発生したり、建物内に侵入して問題となります。ヤスデ、ダンゴムシなどの歩行性害虫は、見た目が気持ち悪かったり、特異臭を発するなどして不快感をもたらしますが、ムカデのように咬まれるなどの危害は与えません。
ヤスデ
ヤスデ類の中で、問題となりやすい種類は「ヤケヤスデ」です。本種は体長2cm、幅2ミリの細くて小さな体で、体色は褐色(赤茶色)をしています。
ヤスデ類は野外の落葉や朽木の中、石や倒木の下に生息し腐植質を食べています。自然界での分解者で、益虫となります。しかし、ヤスデ類は見た目の不気味さと、また発生量が多いこと、防御のために、臭腺からクサい匂いの体液を分泌するため不快害虫として問題となることがあります。臭いの体液は、ヨードやキノンなどのシアンを含んでいるため、誤って口に入ると危険です。
ヤスデは4~11月頃まで発生が見られ、特に梅雨時期に大発生したものが、水による溺死を避けるためブロック塀に群がったり、壁面を登り、家屋内に侵入してきて嫌がられます。
■ヤスデは一体どこからくるの!?
ヤスデは通常、畑や庭のすみに積もった落ち葉や湿った土(腐葉土)の中、石の下などに生息しています。
梅雨時期など雨で地中の水分が多くなりすぎると、上記のような生息場所から出てきて上へと登る習性があります。生息場所の近くに家屋・建物があると、登ってきて屋内に侵入してくることがあります。
ヤケヤスデによる建物への侵入は5月下旬~7月頃に多く見られます。ヤスデは6~7月に成虫になり、交尾・産卵が行われます。卵から孵化したヤスデ幼虫は脱皮を繰り返し、年内に5~7令の幼虫にまで成長、冬は土中に潜って過ごします。
ゲジ(無害)
一般的に「ゲジゲジ」と呼ばれることが多い生物です。日本には、ゲジとオオゲジの2種が生息します。ゲジの体長は、20~30mmほどの大きさです。ムカデと近縁のグループですが、人を刺咬することはなく、害虫を捕食する益虫となります。しかし、気持ち悪い容姿から代表的な不快害虫となっています。
もともとは落葉や瓦礫の下などに生息し、小さなクモや昆虫を捕食しひっそり生活をしているのですが、家屋内や倉庫内にも侵入することがあり、問題となることがあります。
ダンゴムシ・ワラジムシ(無害)
▼ダンゴムシ
体長14mm程で、触るなど身の危険を感じると体を丸めてダンゴのように丸くなります。全世界に分布し、落ち葉や石の下、植木鉢の下、朽木の間などに住み、腐敗した植物質のものを食べます。無毒で危険性はありませんが、その容姿に不快感を抱く人にとっては害虫となることがあります。
▼ワラジムシ
ダンゴムシに似ていますが、触っても体を丸めることができないため容易にワラジムシであると区別できます。また、動きもダンゴムシと比べて俊敏です。海岸でよく目にするフナムシもこの仲間となります。体長は約11mmで、黄色の斑紋があります。ゴミ捨て場や植木鉢の下、花壇、床下などに生息し、腐りかけた植物質を餌にします。
ヤスデ・ゲジ・ダンゴムシの駆除方法と対策
ヤスデ・ゲジゲジ・ダンゴムシ駆除について
ヤスデやゲジゲジなどの害虫は土壌で発生し、屋内に進入してきて問題となるケースがほとんどです。生息場所・発生場所が敷地内にある場合、そこへ薬剤を散布し殺虫・駆除することができます。しかし、周囲の山や畑など範囲が不特定・広範囲になると完全に駆除するのは困難です。そのため、ヤスデやゲジゲジなど歩行性害虫の対策は、侵入させないことが重要です。
ヤスデ・ゲジゲジの侵入防止対策
ヤスデ等の徘徊害虫が屋内に侵入できないよう殺虫剤で駆除し、防ぎます。殺虫剤は家屋の周りや植木鉢の下、よく見かける箇所などに粉状の殺虫剤や液体殺虫剤を散布し、ヤスデ、ゲジゲジを退治します。
また、窓枠や玄関ドアの側面にもスプレーしておくとヤスデ等は侵入予防になります。マンションベランダなど、粉剤や液剤が散布しにくい場合は、スプレー式殺虫剤でベランダや侵入箇所に噴霧し、侵入を予防します。
※ヤスデやダンゴムシなどの土壌生物は、堆積した有機物を土に戻す役割を持っているので、薬剤の散布は家屋周辺に限定しましょう。
屋内にヤスデ・ゲジを殺虫
家屋内でヤスデを発見した場合はスプレー殺虫剤や、冷却駆除のスプレーを噴霧し、殺虫してください。ヤスデなど害虫の侵入が激しい場合は、生息個体数が非常に多いこと、侵入箇所が多数存在するなどの理由が考えられ、調査が必要です。調査には専門的な知識が必要ですのでプロの害虫駆除業者に依頼することをおすすめします。
ヤスデ・ゲジの予防対策
家屋周辺にある雑草は除草し、廃材・がれきなど不要な物は処理、落ち葉を捨てるなどの清掃を行い、ヤスデやゲジが生息しにくい(潜みにくい)環境にします。