害獣の被害

■害獣の被害
害獣による被害は直接的であり、1匹による影響も大きいので深刻なものになります。人間の社会生活に溶け込んでいるものも多く、それらの多くは頭もかしこく、警戒心が強いため、駆除は人間との知恵比べが試されます。
また、小動物は哺乳類であることから私たち人間と近縁的に近いため駆除事態が倫理的な問題として扱われる場合もあり、害虫防除とは考え方が大きく変ってくることがあります。

■害獣の種類
日本における害獣は、主にモグラやタヌキ、アライグマ、ハクビシンなどです。しかし、これらはもともと人間生活とかけ離れた山奥や人間と一緒に生活していた種がほとんどで、人間が生活場所を奪ったり、飼育していたものを捨てたりしたことから害獣と呼ばれる様になったことも忘れてはいけません。

アライグマ -Procyon lotor- ★特定外来生物

アライグマ駆除アライグマは本来、北米原産の動物ですが、1962年愛知県犬山市の動物園飼育個体の逃亡を皮切りに各地で逃亡・定着がおこり、2000年時点で確実なだけでも、17都道府県からアライグマの侵入の情報が得られています。
動物園からの逃亡以外にも、アニメによるアライグマブームからペットとして飼われていた飼育個体が逃亡・放棄されたことも分布拡大の要因と考えられています。
アライグマの被害は、農作物が食害される他、アライグマ回虫症といった人間生活への直接的被害や、捕食・競合による在来種への影響が危惧されます。そのため、2005年6月から施行されている「外来生物法」にも特定外来生物として指定されました。
現在、神奈川県や和歌山県などの多くの地で深刻な問題を引き起こしている。

ハクビシン -Paguma larvata-

ハクビシン駆除ハクビシンは、戦中から戦後にかけて四国、東海地方と東北地方において集中的に生息が確認されました。
ハクビシンは第二次世界大戦中には毛皮用の養殖タヌキと共に飼育されていたが、毛皮の質が悪いため放逐されました。そして現在になって、その数を増やしたものと考えられます。
生活様式がアライグマに酷似していること、また分布域を広げていることから農作物や生態系への影響が懸念されています。

イタチ -Mustela-

イタチといえばニホンイタチとチョウセンイタチが一般的です。他にもイタチの仲間としてコイタチやオコジョ、イイズナなどがいます。

●ニホンイタチ
日本固有種ですが、チョウセンイタチは第二次世界大戦以前に毛皮用として持ち込まれたものが起源だと考えられています。チョウセンイタチに比べると体は小さく、尾は短く、体毛の色が暗い。両種は同じような環境に生息するため、競合し、ニホンイタチの個体数が減少しています。
ニホンイタチは通常、年1回、4月頃に1~10頭を出産する。寿命は平均2歳弱と非常に短命で、行動は単独行動が多い。

近年、チョウセンイタチは、中部地方以南、九州、四国および周辺の島に生息しています。
イタチによる被害は、希少種や家禽の捕食、屋根裏への棲みつきなどがある。その他に、肛門の左右にある1対の肛門腺から非常に臭い黄色の液を分泌するため、悪臭の問題も引き起こす。

野ネコ(野良猫) -Felis catus-

飼いネコが野生化したいわゆる野良ネコです。日本全国に分布し、人間の出す残飯を食べて暮らしているものが多い。日本国内では、冬季の生活条件から温暖な西日本に多く、寒冷地には少ない。
ノネコによる被害は、ゴミ置き場のゴミをあさって散らかしたり、発情期には雄同士で喧嘩するため、騒音で悩まされたりという被害があります。
また、沖縄などでは絶滅が危惧される希少種の食害やヤマネコとの交雑、病気の伝染などの影響も心配されています。

野イヌ(野良犬) -Canis familiaris-

ノネコ同様に飼いイヌが野生化したいわゆる野良イヌです。放棄されたペットや放置された猟犬がノイヌとなっています。単独で生活するものもいるが、数頭が集まり群れで生活することが多い。野生動物を捕食したり、残飯に依存したりして生活しています。
北海道東部、日光、丹沢、対馬などではシカの捕食者となっています。ノイヌ化しているのは中型犬以上が多く、野外適応性が低い小型犬、座敷犬類は少ない。

タヌキ -Nyctereutes procyonides-

山地だけではなく、郊外の住宅地周辺にまで広く分布します。鳥類、野ネズミ、昆虫、野生果実類などを採食するが、イタチやキツネと比べると甲虫の幼虫やミミズなどの土壌動物の採食量が多い。
タヌキには縄張りを識別するために、排泄物を特定の場所に集めるタメ糞を行ないます。
また、最近では住宅地付近に出没しては、住民に餌付けされ行動範囲を広げているものもいる。そのようなタヌキがゴミ捨て場などを荒らし、問題を引き起こしている。

害獣防除と対策

小動物、害獣対策

野生の鳥類と哺乳類は「鳥獣保護法」で守られているため、基本的に捕獲や捕殺が禁止されています。捕獲する場合は、行政に捕獲許可の申請を出さなければならないこと、狩猟免許が必要なことから簡単に一般の方が捕獲することはできません。
また、捕らえた動物が希少種であったり特定外来生物であったりする場合があることから、基本的にそういった知識のある業者(害獣・害虫駆除業者)や行政に頼んで捕獲してもらってください。

私達ができる対策としては、捕獲ではなく忌避剤などを使用し、寄せ付けない方法があります。その他にゴミ置き場にネットを張る、ゴミ置き場を綺麗に保つ、無駄な餌付けをしないことなど被害を未然に防ぐ対策も重要です。

※モグラの生態・対策はこちらページ
※コウモリの生態・対策はこちらページ

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